概要:WikiFX:先日の昼刊にも、ご紹介したSECとBitConnectの提訴案件、本日詳しくご案内いたします。
米国証券取引委員会(The United States Securities and Exchange Commissio:SEC)は2021年9月2日、BitConnectとその創業者および関連会社に対してに対して、訴訟を起こしたことを公表した。SECは訴訟書類の中で、彼らが未認可の投資サービスを提供し、個人投資家から少なくとも20億ドル(日本円で2000億超)を詐取したと主張している。
被告はBitConnectの「貸付プログラム(Lending Program)」を立ち上げ、ユーザーに毎月40%以上のリターンを約束した。2017年から2018年の間に、「ボラティリティ・ソフトウェア・トレーディング・ボット(volatility software trading bot)」によって年率3,700%以上のリターンがあったように見せかけた。しかし、これは完全なる詐欺である。
BitConnect社の創業者であるサティシュ・クンバニ(Satish Kumbhani)氏は、米国におけるトッププロモーターであるグレン・アルカロ(Glenn Arcaro)氏と共謀し、投資家の資金をBitConnectの口座から吸い上げ、主にアルカロ氏が管理するウォレットに送金していた。
さらに、SECは、クンバニ氏とアルカロ氏が投資家に開示されていない手数料を報酬として受け取ったと主張している。
今回の訴訟では、クンバニ氏とアルカロ氏およびすべての関連組織に対して罰金を課すとともに、利息付きの損失利益を求めている。また、被告人は民事上の罰則を受ける可能性もある。証券取引法違反は、最高20年の懲役と500万ドルの罰金が科せられる。
SECニューヨーク地域事務所のララ・シャロフ・メラーバン(Lara Shalov Mehraban)ディレクターは、「我々は、デジタル資産の分野で不正行為を行った者を徹底的に追及し、責任を求める」と述べている。
BitConnectとは、2016年11月にICOで独自の通貨BCCを発行したプロジェクトである。2017年1月に上場してから、「レンディング」というサービスで、日利平均1%、月間だと30%もの配当で人気を集めていた。それに伴って、BCCの価格は右肩上がりで、プロジェクトは好調だった。2018年1月16日、BitConnectは、取引所としてレンディング機能を停止、ウォレット機能のみ提供と発表。BCCは大暴落した。
BitConnectの実態はポンジスキームだったが、似ているようなレンディングサービスを行う暗号通貨プロジェクトは今でも後を絶たない。