概要:[フランクフルト 23日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)は23日発表の月報で、国内労働者の賃金上昇が記録的なインフレに追い付いていないとし、購買力が大幅低下に見舞われているとの見方を示した
[フランクフルト 23日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)は23日発表の月報で、国内労働者の賃金上昇が記録的なインフレに追い付いていないとし、購買力が大幅低下に見舞われているとの見方を示した。
現在の賃上げは、低インフレとコロナ禍の打撃を反映した以前の労働協約に基づいていると指摘。これからの賃金交渉は、経済見通しの不確実性と雇用喪失の懸念に対し、高インフレの長期化と労働力不足との均衡を図る必要が出てくるとした。「物価上昇はおおむね輸入化石燃料の高騰によるもので、これが国内の収益の再配分を損なっていることは明記しておく必要がある」としている。
連銀によると、今年1─3月の基本給上昇はコロナ禍関連のボーナスを差し引いたベースで1.6%にとどまっており、新たな契約でもさらなる上昇はわずかという。4月の同国インフレ率は7.4%で、連銀は今年全体では約7.0%とみている。
連銀は第2・四半期の同国経済成長率については、コロナ関連の規制が今年は緩和されて消費が高まるとみられることから、なおプラス成長を維持すると予測。ただ、生計費上昇とウクライナ危機の影響がもたらす打撃も警告した。