概要:ハリマ化成グループ<4410>(東証プライム)は、前日17日に15円高の891円と5営業日続伸して引け、8月1日にストップ高でつけた年初来高値910円に肉薄した。今年8月1日に発表された今2023年3
ハリマ化成グループ<4410>(東証プライム)は、前日17日に15円高の891円と5営業日続伸して引け、8月1日にストップ高でつけた年初来高値910円に肉薄した。今年8月1日に発表された今2023年3月期の第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)累計業績・通期業績の上方修正と記念増配、自己株式の取得の3点セットを手掛かりに割安修正買いが増勢となっている。テクニカル的にも、ストップ高により25日移動平均線が急角度で75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、フォローの材料視されている。
■欧米のローター事業の堅調推移で粘接着材剤用樹脂が続伸
同社の業績上方修正のうち今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを110億円、営業利益を7億円、経常利益を6億円、純利益を5億円それぞれ引き上げ、売り上げ990億円(前期比30.1%増)、営業利益27億円(同16.9%減)、経常利益34億円(同1.0%減)、純利益25億円(同43.2%増)と増減マチマチと見込んだ。売り上げは、欧米のローター事業の堅調推移で粘接着剤用樹脂の売り上げが、原材料価格高騰の転嫁も加わって大幅に続伸し、営業利益、経常利益は、減益転換率を縮めるものの、円安の影響やHenkel社のはんだ材料事業ののれん代負担もあり減益転換する。ただ純利益は、前期に計上した減損損失が一巡し連続の大幅続伸となる。また上昇修正幅は、2Q累計業績より通期業績が小幅にとどまり、下期をより保守的に予想しているだけに、決算期の進行ととも再上ぶれの可能性も残る。
配当は、創立75周年の記念配当4円を上乗せして年間42円(前期実績38円)へ増配を予定している。また自己株式取得は、取得株式数の上限を100万株(発行済み株式総数の3.97%)、取得総額上限を10億円、取得期間を今年8月2日から2023年8月1日までとして推進する。
■GC示現でPER8倍、PBR0.6倍、配当利回り4.7%の修正に弾み
株価は、全般相場の波乱展開のなか年初来安値746円まで左肩下がりの調整推移が続いたが、発表された上方修正3点セットがサプライズとなって一気にストップ高して年初来高値910円まで急騰し、利益確定売りに押されて827円と下ぶれたが再騰して年初来高値に肉薄している。この間、GCを示現して上昇トレンド転換も示唆し、PER8.96倍、PBR0.61倍、年間配当利回り4.71%の割安修正に弾みをつけている。年初来高値抜けから昨年3月以来の1000円大台を回復し、2020年9月高値11176円が上値目標として意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)