概要:[東京 13日 ロイター] - ホンダは13日、電動二輪車の販売について、2030年に世界販売の約15%に当たる350万台を計画すると発表した。25年までに世界で10車種以上を投入し、今後5年以内に電
[東京 13日 ロイター] - ホンダは13日、電動二輪車の販売について、2030年に世界販売の約15%に当たる350万台を計画すると発表した。25年までに世界で10車種以上を投入し、今後5年以内に電動二輪車の販売を100万台に増やす。40年代に全ての二輪車で温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す。
ホンダの電動二輪車販売は現在、約10万─20万台で推移しており、その大半が中国での販売となっている。今後は中国に加え、新興国や欧州などでも販売を拡大し、四輪に続き、二輪でも脱炭素化を推進する。 同社はこの日、本社で二輪事業説明会を開いた。竹内弘平副社長は「四輪とはまた違ったカーボンニュートラル実現の難しさがあるが、電動化を中心にカーボンニュートラル社会でも引き続き世界トップメーカーとしてのプレゼンスを維持する」と述べた。
24─25年にアジアや欧州、日本で個人向け電動二輪車2車種を販売し、日本や米国、欧州向けに大型の電動二輪車3車種を投入する。モーターで進むペダル付き二輪車「モペット」と電動自転車については、今年から24年までに中国に加えてアジア、欧州、日本で5車種を発売する予定。モペットと電動自転車は電動二輪車の世界市場(約5000万台)の9割以上を占めている。 電池やモーターなど主要部品を共通化した電動車用の車台も開発し、各車両に展開する。四輪用として研究中の次世代電池「全固体電池」の二輪への搭載も検討する。野村欣滋常務執行役員は、エネルギー密度の高い全固体電池は、車両サイズを大きくしにくい二輪との親和性が高く「有効な選択肢と考えており、導入を目指していく」と説明した。 ソフトウェア開発も進め、最適なルートや充電スポットの案内などを提供するサービスも24年に発売する電動二輪車で展開する予定。内燃機関車も引き続き進化させ、エタノールを活用した環境に優しい燃料などに対応したモデルの開発に取り組む。 ホンダの二輪事業は、営業利益率が22年3月期で14.3%と四輪事業の2.5%を大きく上回り、収益の柱となっている。ただ、電動化はコストがかさむ上、世界各国で脱炭素化に向けた規制が二輪でも進み、中国勢などによる電動車や電池販売の投入が相次いでおり、エンジンの耐久性など内燃機関で強みを誇ってきたホンダの地位が脅かされ、収益性が低下する恐れがある。 竹内副社長は電動化時代では「単純に物を売るだけでなく、電池だけの切り離し(によるビジネス)、コネクテッド情報を提供する」ことなどを併用することで二輪の収益性を担保していく、と語った。