概要:急激な円安でついに1ドル145円を突破。懸念と不安の声が高まり、現状や対策に関するメディア記事も増えています。日銀も介入「スタンバイ状態」との情報が出てきましたが…主な論点を整理し、決定版の回答集を用意しました。
急激に進む円安の先行きについて、個人法人を問わず懸念や不安の声が高まっている。
对于日元急剧贬值的未来,无论是个人还是企业,担忧和焦虑的声音都在增加。
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急激に進む円安について、筆者のもとには過去に例がないほど相変わらず多くの問い合わせが寄せられている。国民的関心の高さを実感せざるを得ない。
关于日元的急速贬值,笔者不断收到空前数量的询问。我不禁感到国家利益的高度。
問い合わせの内容はごく短期的な解釈から超長期の見通しまで多岐にわたるが、興味関心が重なる論点も多いので、Q&A方式で整理して解説を試みたいと思う。
询问的内容从极短期的解读到超长期的前景,但由于有很多兴趣点重叠,我想以问答的形式组织和解释。
編集部注:2022年4月公開記事の更新・再掲載です。
编者注:这是对 2022 年 4 月发表的文章的更新和转贴。
【Q1】円安の原因は何なのか?
[q1] 日元贬值的原因是什么?
「金利」「需給」の両面から説明するのが一般的。金利面では、日本と各国の金融政策の格差が、需給面では貿易赤字の拡大(およびそれに伴う経常収支の構造変化)が円安の原因とみられる。
通常从“利率”和“供求”两方面来解释。在利率方面,日本与其他国家货币政策的差异被认为是导致日元贬值的原因。
ここまでのメディア報道を見ていると、金利面のみから解説する論調が多いように思う。
看目前的媒体报道,我认为有很多观点只能从利率方面来解释。
「アメリカをはじめ諸外国が金利引き上げに着手するなかで、日本は逆に金利上昇を抑え込もうとしている」という分かりやすい対称性は、国民に広く刺さるロジックなのかもしれない。
“美国等国家开始加息,而日本却在努力抑制加息”,这种通俗易懂的对称性,可能是引起大众共鸣的逻辑。
もちろん、この説明そのものは間違っていない。
当然,这种解释本身并没有错。
75ベーシスポイント(0.75ポイント)の大幅利上げを継続する国(アメリカ)の通貨と、長期金利を人為的に抑制しようとする国の通貨(日本)、投資家にとってどちらが旨味があるかは明白だ。
哪个对投资者更好是很清楚的:继续加息 75 个基点(0.75 个点)的国家的货币(美国)或试图人为压低长期利率的国家的货币(日本)。
しかしながら、筆者には外国の金利上昇が円売りの主な原因とはどうしても思えない。
但是,我无法相信外国利率上升是日元抛售的主要原因。
過去1年間の円売りは、債務再編による財政再建を目指すアルゼンチンの通貨(ペソ)や、2021年末に通貨危機を経験していまも混乱が続くトルコの通貨(リラ)に匹敵する下落ぶりだ。
过去一年日元的抛售可与旨在通过债务重组进行金融重建的阿根廷货币(比索)和在经历货币危机后仍处于动荡状态的土耳其货币(里拉)相媲美2021 年底。
そうした事実を踏まえてなお、外国の通貨や政策金利に円安の原因があると主張するのは、さすがに無理筋ではないか。
鉴于这些事实,认为外币和政策利率是日元贬值的原因似乎是不合理的。
各国の(通貨の対外的な実力を測る指標として使われる)名目実効為替相場の推移を比べてみると、日本円は主要通貨のなかで底が抜けたような動きを示しており、そこには円に特有の要因が作用していると考えるのがフェアだろう【図表1】。
比较各国名义有效汇率(作为衡量货币外部实力的指标)的趋势,日元在主要货币中似乎已经触底。可以公平地假设日元的特定因素在起作用[图 1]。
【図表1】主要7カ国(G7)の名目実効為替相場の推移。日本円(グレー)の独歩安が明確だ。
【图1】七国(g7)名义有效汇率走势。日元(灰色)的贬值很明显。
出所:Macrobond資料より筆者作成
资料来源:作者根据 macrobond 数据制作
円安の原因について、筆者は金利より需給に動かされている印象を強く持っていて、実際に需給のほうが重要だと考えている。
关于日元贬值的原因,我有一个强烈的印象是供求关系比利率更重要,我认为供求关系实际上更重要。
資源価格の高騰に伴う貿易赤字の拡大はストレートに円売り圧力を高め、その急拡大は2021年12月と2022年1月に経常赤字まで引き起こしている。引き続き需給環境を注視していく必要があるだろう。
资源价格飙升导致贸易逆差扩大,直接加大日元抛压,快速扩张导致2021年12月和2022年1月经常项目逆差。有必要继续监测供需环境。
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【Q2】「円安」は「日本売り」という理解は正しい?
[q2] 说日元贬值意味着在日本销售是否正确?
ある程度正しいと考える。【Q1】の回答で述べたように、金利と需給のどちらがより大きな円安の原因かと問われたら、筆者は後者と答える立場だ。
我认为你在某种程度上是正确的。正如我在对[q1]的回答中所说,如果有人问我是利率还是供求关系中哪一个是日元贬值的更大原因,我会回答后者。
ただし、足もとの円安には、経済低迷に根本的な手を打たない日本政府に対する、市場からの警鐘の意味が含まれているように思う。
不过,我认为近期日元贬值是市场向日本政府敲响的警钟,日本政府并未对经济停滞采取任何根本性措施。
名目実効為替相場の比較を通じて円の独歩安が進んでいることを【Q1】で確認したが、株式市場も状況は同じで、主要株価指数のなかで日経平均だけが前年実績を断続的に割り込んでいる【図表2】。
我们在第一季度通过名义有效汇率的比较确认日元正在自行贬值,但股市的情况也是如此[图2]。
【図表2】主要国の代表的株価指数の推移。日本(日経平均225、グリーン)だけが2021年の実績値を断続的に(右側)割り込んでいる。
【图2】主要国家代表性股指走势。只有日本(日经 225,绿色)间歇性低于其 2021 年的表现(右侧)。
出所:Macrobond資料より筆者作成
政策を通じて制御するのが難しい為替や株式のような資産価格について日本の劣後は明確だが、一方で国債は日本銀行の大量保有や指値オペを背景に価格(および金利)が安定している。
日本在外汇、股票等难以通过政策控制的资产价格从属地位明显,但在日本央行大举增持和限价令的背景下,国债价格(和利率)稳定操作。
そのように、為替や株式を介して見える景色と国債のそれがあまりにかい離した現状は「日本回避」の兆候だと筆者はくり返し指摘してきた。
笔者一再指出,目前通过汇率和股票看到的情况与政府债券的情况相差太远,是日本回避的迹象。
パンデミック発生から2年が過ぎ、欧米諸国はコロナと共生する道を選び、行動制限やマスク着用をむやみに求めなくなった。国内総生産(GDP)成長率もコロナ以前の水準まで回復した。
疫情爆发两年过去了,西方国家选择了与新冠病毒共存的道路,不再肆无忌惮地要求人们限制行动、戴口罩。国内生产总值 (gdp) 增长也恢复到疫情前的水平。
ところが、日本はそこまで至っていない。
然而,日本并没有那么远。
下の【図表3】は主要国のGDP成長率について、2年分(2020、21年)の実績値と2022年の予測値を積み上げて比較したものだ。
[图3]将2年(2020年和2021年)的实际数据与2022年的预测数据相加,比较主要国家的gdp增长率。
【図表3】国際通貨基金(IMF)世界経済見通し(2020〜22年の累積成長率)の国・地域別比較。
[图 3] 国际货币基金组织 (imf) 世界经济展望(2020-2022 年累计增长率)按国家/地区划分。
出所:IMF資料より筆者作成
来源:作者根据imf资料制作
日本の累積成長率だけがマイナスで、パンデミックの残した傷跡が癒えていない唯一の先進国であることが分かる。
只有日本的累计增长率是负的,我们可以看到它是唯一一个没有治愈疫情留下的伤疤的发达国家。
世界各国の悩みはいまやインフレだが、日本の悩みは(インフレの苦しみも顕在化してきてはいるものの)いまだに新規感染者数だ。
通货膨胀现在是世界各国的问题,但日本的问题(尽管通货膨胀的痛苦正在变得明显)仍然是新感染的数量。
その構図は、成長を追求する国と成長をあきらめた国の格差と表現してもいいだろう。
这种构成可以描述为追求增长的国家和放弃增长的国家之间的差距。
そして、成長をあきらめた国の通貨が売られることには何の不思議もない。
也难怪一个放弃增长的国家的货币被抛售。
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【Q3】円安は米利上げに伴う「ドル高の裏返し」?
【q3】日元贬值是否是伴随美国加息而来的“强势美元逆转”?
誤った解釈と言える。
这是一种误解。
例えば、円安は3月から加速したが、同時期の名目実効為替相場(先述)をみると、ドルはわずかに下落(ドル安)している。過去1年間についても「ドル安だが円安」という時期がかなりあった。
例如,日元从3月份开始加速贬值,但同期名义有效汇率(上述)显示美元略有贬值(美元贬值)。在过去的一年中,有不少时期美元走弱,但日元走弱。
いまの円安がアメリカ側の要因(ドル高)ではなく日本側の要因によって起きていることの証左と言っていいだろう【図表4】。
可以说,当前日元贬值不是美国因素(强势美元)造成的,而是日本因素造成的(图4)。
【図表4】米ドルと日本円の名目実効為替相場の推移(2021年1月以降)。赤い点線枠内がドル安と円安が同時進行した時期。
【图4】美元兑日元名义有效汇率变动(2021年1月起)。红色虚线框内美元和日元同时贬值的时期。
出所:Macrobond資料より筆者作成
ただし、緩やかながらドルは上昇しており、その動きが円安とまったく無関係とは言い切れない。それでも、円安をドル高の「裏返し」と断言するのはさすがに無理がある。
然而,美元正在上涨,尽管速度很慢,不能说这一走势与日元贬值完全无关。尽管如此,断言日元贬值是美元走强的“反面”是不合理的。
【Q4】現在の円安は「構造的」なものと考えて良いのか?
[q4] 我们可以认为当前日元贬值是“结构性的”吗?
少なくともその可能性があることを踏まえて金融政策を検討・執行すべきというのが、筆者の基本認識だ。
我的基本理解是,在考虑和实施货币政策时,至少应该考虑到这种可能性。
「構造的」という表現は、足もとの円安が経常収支の悪化(という対外収支の構造変化)により起きているとの意味で使われることが多い。それは貿易赤字の拡大とほぼ同義だ。
“结构性”一词常用于表示近期日元贬值是由于经常账户余额恶化(即对外收支出现结构性变化)所致。这几乎是不断扩大的贸易逆差的代名词。
貿易赤字を生み出しているのは原油や天然ガスなど鉱物性燃料の価格高騰であり、したがって、円安が「構造的」かどうかも、資源価格の値動きが構造的かどうか次第ということになる。
原油、天然气等矿物燃料价格飙升造成贸易逆差,因此日元贬值是否“结构性”,取决于资源价格波动是否具有结构性。
その文脈で言えば、現在の資源価格の高騰は、脱炭素・感染症・戦争といった世界の大きなうねりによって引き起こされているように見受けられ、構造的と言えなくもない。
在这样的背景下,当前的资源价格飙升似乎是由脱碳、传染病、战争等全球性膨胀引起的,可以说是结构性的。
ロシア・ウクライナ戦争を契機とする「ロシア抜きの世界」は、食料まで含めた資源の供給制約を固定化することになるだろう。資源価格の高止まりは持続的なものと考えるほかないように筆者には感じられる。
由俄乌战争引发的“没有俄罗斯的世界”可能会导致包括粮食在内的资源供应受到固定限制。在我看来,除了考虑资源的高价格是可持续的,别无选择。
化石燃料の純輸入国である日本にとって、資源価格が高く固定化されてしまうことは、経常収支や貿易収支の悪化が構造的に宿命づけられることを意味する。
对于作为化石燃料净进口国的日本来说,高昂且固定的资源价格意味着经常项目收支和贸易收支将出现结构性恶化。
日本が自ら資源価格を決定したり相場を修正したりはできないものの、(赤字黒字を左右する)輸入額が価格と量の乗算で決まることは間違いないのだから、原発再稼働によって電源構成を変更することで鉱物性燃料の輸入量を抑えるなど、積極的に策を打つ余地は残されている。
虽然日本不能自己设定资源价格,也不能调整价格,但进口量(决定逆差和顺差)是由价格和数量的乘积决定的,这一点毋庸置疑。矿物燃料的
そうした努力の結果として、資源価格の下落が基調として根づき、「構造的」な円安を懸念したがそうではなかった、と杞憂で終わるならそれに越したことはない。
这样努力的结果,如果资源价格的下跌能够扎根,那就更好了,如果以一种没有根据的担心日元“结构性”贬值的情况结束,那就更好了。
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``价格即将突破130日元。''有一个'技巧'来纠正日元的急剧贬值。关键词是“核电”,但公开辩论在所难免
【Q5】日本国債の暴落が始まる兆候なのか?
[q5] 这是日本国债开始崩盘的迹象吗?
やや過剰な懸念と言うべきだろう。
我会说这有点过分担心。
日本国債が国内消化率の高い内債(=自国通貨建てで発行され、日本銀行や市中金融機関、保険・年金基金など国内保有率が高い国債)であり続けてきたのは、長年の経常黒字のおかげだ。
日本政府债券一直是国内消费率高的国内债券(即日本银行、商业金融机构、保险和养老基金以本国货币发行且国内持有率高的政府债券,等)长期以来一直是常态。多亏了盈余。
したがって、貿易赤字の拡大によって経常黒字が揺らぎ始めているいま、日本国債の国内消化もある程度不安定化に向かっていると認識すべきだろう。
因此,在贸易逆差扩大导致经常项目顺差开始波动的情况下,应该看到日本国债的国内消费正走向某种程度的不稳定。
この「揺らいでいる」現状を「暴落する」と読み換える向きが多く、それは乱暴に過ぎると言わざるを得ない。
有很多人将这种“摇摇欲坠”的现状解读为“崩溃”,不得不说太粗暴了。
予断を許さない状況にあるのは間違いないが、だからと言って、投機的思惑が先行して自己実現的にある方向に走りやすい為替市場の動きと、きわめてローカルな需給関係に規定される国債市場の動きを混同すべきではない。
毫无疑问,我们处于一个不可预测的境地,但这并不意味着投机性投机导致外汇市场的走势倾向于向某个方向运行以实现自我实现,以及受到极端地方监管的政府债券供需关系。不应混淆市场走势。
【Q6】円安はどこまで進む?
[q6] 日元会贬值多少?
為替には「理論的なフェアバリュー(適正価格)が存在しない」と言われるが、推計するためのヒントとして用いられやすい購買力平価(=ある国である価格で買えるモノやサービスが他国ならいくらで買えるかを示す交換レート)を見ても、すでに節目という節目の水準はすべて突破しており、「意味のある」節目を見つけるのは難しい。
据说外汇中没有“理论公允价值”,但购买力平价(=一个国家可以以一定价格购买另一个国家的商品和服务的价格)经常被用作估计的提示。你看一下表示是否可以购买的汇率),它已经通过了所有里程碑级别,因此很难找到一个“有意义”的里程碑。
1998年4月に1ドル140円を超えたところで2兆円超の円買いドル売り介入に踏み切った例があるので、今回もそのあたりで介入があるとの見方が散見されるが、逆に言えば、そうした昔話を持ち出すことでしか意味のある節目を見つけるのが難しい状況ということだ。
1998年4月,当美元突破140日元时,曾出现过日元对美元的买盘干预超过2万亿日元的案例,也就是说,仅凭这些陈词滥调很难找到有意义的里程碑。
こうなると、年間の値幅から節目の“当たり”をつけるくらいしか方法はないのかもしれない。
在这种情况下,唯一的方法可能是从年度价格范围中添加里程碑的“命中”。
過去20年間をふり返ると、最大の値幅はリーマンショックの起きた2008年の25.07円だった【図表5】。
回顾过去20年,最大的价格区间是2008年雷曼冲击发生时的25.07日元[图5]。
【図表5】プラザ合意(1985年9月)以降のドル/円相場の年間値幅の推移。
[图 5] 自广场协议(1985 年 9 月)以来美元/日元汇率年度价格区间的趋势。
出所:Bloomberg資料より筆者作成
资料来源:作者根据彭博数据制作
2022年の値幅はここまで(4月26日時点)15.61円で、2008年よりまだ10円ほど狭い。しかし、これから140円前後まで円安が進めば、年間の値幅は25円を大きく超え、「リーマンショック級あるいはそれ以上」という話になる。
到目前为止(截至 4 月 26 日),2022 年的价格区间为 15.61 日元,与 2008 年相比仍缩小了 10 日元。但是,如果日元从现在开始贬值到 140 日元左右,那么每年的价格区间将大大超过 25 日元。
そこに先述した1998年の円売り介入の事例も加えて考えると、年内の円安は最大でも140円程度と見積もりたくなる気持ちは分からなくもない。
考虑到上述 1998 年的日元卖出干预案例,可以理解的是,人们想要估计到年底日元最多贬值 140 日元左右。
しかし、2008年当時は円高基調で、今回は【Q2】で論じたように「日本売り」の意味合いが含まれる円安基調だ。
然而,2008 年日元走势强劲,正如 [q2] 中所讨论的,日元走势疲软,其中包括“卖出日本”的含义。
究極的に言って、通貨防衛の難易度は円安方向のほうがはるかに高い。したがって、年間の値幅はさらに拡がる可能性があり、すなわち円安も140円を大きく超える可能性がある(編集部注:9月22日時点で24年ぶりに145円を突破)。
归根结底,在日元贬值的方向上,捍卫货币的难度要高得多。因此,全年价格区间有进一步扩大的可能,即日元贬值可能会超过140日元(编者按:截至9月22日,24年来首次突破145日元)。
【Q7】円安はどうしたら止まるのか?
[q7] 如何阻止日元贬值?
変動為替相場における潮流を反転させることができるのは基軸通貨国(具体的にはアメリカ)だけだ。
只有储备货币国家(特别是美国)才能扭转浮动汇率的潮流。
それでも、【Q4】の回答で触れたように、結果はともかくとして円安を抑制するために積極的に講じることのできる手段はまだある。
尽管如此,正如我在回答 [q4] 时提到的,无论结果如何,仍然可以采取积极措施来遏制日元贬值。
政府主導で原発再稼働を含めたエネルギー政策のあり方を模索するのであれば、それは誰もが納得できる不可抗力のストーリーとなり、そこに投機筋の円売りがつけ込む筋合いはない。
如果政府带头探讨应该采取什么样的能源政策,包括重启核电站,这将是一个所有人都能接受的不可抗力的故事,投机性抛售日元没有理由乘虚而入它。
もちろん、政治的にクリアしなければならない課題は多く、決断が苦手な岸田政権には荷が重いかもしれない。
当然,还有很多政治问题需要厘清,不擅长做决定的岸田政府可能会背上沉重的包袱。
しかし、福島の事故という重い十字架を背負った日本があえて原発再稼働を決断することに大きな意味を見出す市場参加者は少なくないようにも思える。
然而,似乎有不少市场参与者认为日本决定重启核电站具有重大意义,承担了福岛事故的沉重负担。
ただし、国民的議論を前提とするそうした取り組みも、「円安を止めたいならば」選択肢になり得るだけで、円安を問題視しないのなら議論も検討も必要ない(政府は現時点ではそう考えているように感じられる)。
然而,这种以公开辩论为前提的努力,只有在你想阻止日元贬值的情况下才能成为一种选择。(我觉得我在那里)。
一方で、円安を問題視してその悪影響を和らげる意図があるなら、本稿の冒頭でも触れたように、金利と需給の両面から円安の原因に対処する方法が考えられる。
另一方面,如果日元贬值被视为一个问题,并打算减轻其负面影响,那么正如我在本文开头提到的那样,有办法处理日元贬值的原因。从利率和供求两方面来看日元。
需給面では上記のように原発再稼働がひとつの手だろう。
如上所述,在供需方面,重启核电站将是一种选择。
金利面では、日本と各国の金融政策の格差が原因になっていることから、何よりもまず日銀の金融正常化プロセスへの着手が不可欠だ。
在利率方面,日本银行首先启动金融正常化进程至关重要,因为日本与其他国家之间的货币政策差异是罪魁祸首。
為替介入による是正を有効手段とみる向きもあるが、それは話が飛躍している。
有人认为通过外汇干预进行修正是一种有效的手段,但那是一种飞跃。
理論的には、金融政策と通貨政策は同じ方向を向いている必要がある。金融緩和策を続けながら円安に不満を漏らすのは自己矛盾であって、緩和に傾斜し過ぎた金融政策の修正がまずは必要となる。
理论上,货币政策和货币政策应该指向同一个方向。在继续货币宽松措施的同时表达对日元贬值的不满是自相矛盾的。
通貨が下落して困っていると言いながら、利下げをくり返して金融緩和を維持するエルドアン政権下のトルコ中央銀行はまったくの例外で、普通の中央銀行なら通貨の下落時は金融引き締め方向に舵を切るものだ。
埃尔多安政府领导下的土耳其中央银行,一再降息维持货币宽松,同时声称货币有问题,完全是个例外,是要降息的。
日本について言えば、投機筋の円売りと本格的に戦うことを考え、日銀による利上げが最善の手と筆者は考える。
至于日本,笔者认为日本央行的加息是认真打击投机性日元抛售的最佳举措。
利上げで円売りが止まるかどうかは賭けだが、マイナス金利政策の解除が持つメッセージは相応に大きなものと受けとめられる可能性があり、その点では期待できる。
加息是否会阻止日元抛售是一场赌博,但负利率政策将被解除的消息有可能会有相应的大消息,这方面我们可以期待.
【Q8】足もとの円安は「悪い」円安なのか?
[q8] 目前日元贬值是日元“坏”贬值吗?
ひと言で善悪を論じるのは不可能だ。
是非一言难尽。
過去の寄稿(4月18日付)の冒頭でも強調したことだが、「総論としては日本経済にプラス、各論ではさまざまな見方があるもののマイナスの意見が多く、(有利不利の)二極化を助長しかねない」というのが最もフェアなスタンスと筆者は考えている。
正如我在之前的投稿(4 月 18 日)开头所强调的,总体而言,日本经济是积极的,但就具体而言,存在许多负面意见,这导致了(优势和劣势)两极分化。我认为认为最公平的立场就是别无选择。
円安のメリットで得をするのは、輸出や海外投資の還流に近いグローバル大企業だけで、内需主導型の中小企業や家計部門はデメリットで損する面が圧倒的に大きい。
日元贬值的好处仅限于大型跨国公司,它们接近出口和海外投资的流动。
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「円安は日本経済にとってプラス」日銀展望レポートの違和感。損する側、得する側「分断」の深刻度
“日元贬值对日本经济有利”日本央行展望报告输方和赢方之间“分歧”的严重程度
2013年以降のアベノミクスで証明されたように、日本ではグローバル大企業から中小企業、家計部門へのスピルオーバー(拡散効果、アベノミクス当時は「トリクルダウン理論」などとも呼ばれた)がほとんど期待できない。
自 2013 年以来的安倍经济学就证明了,在日本无法预期从大型跨国公司到中小企业和家庭部门的溢出效应(扩散效应,在安倍经济学时代也称为“涓滴效应”)。
結局、円安は両者の格差を拡大する、言い換えれば日本における優勝劣敗を徹底する相場現象と認識するのが正しいのではないか。
最终,日元贬值扩大了两者之间的差距。
※寄稿は個人的見解であり、所属組織とは無関係です。
*贡献是我的个人观点,不隶属于任何组织。
(文・唐鎌大輔)
(作者唐间大辅)
唐鎌大輔(からかま・だいすけ):慶應義塾大学卒業後、日本貿易振興機構、日本経済研究センターを経て欧州委員会経済金融総局に出向。2008年10月からみずほコーポレート銀行(現・みずほ銀行)でチーフマーケット・エコノミストを務める。
daisuke karakama:庆应义塾大学毕业后,曾在日本贸易振兴机构和日本经济研究中心工作,之后被借调到欧盟委员会经济金融事务总局。自 2008 年 10 月起,他一直担任瑞穗工商银行(现瑞穗银行)的首席市场经济学家。