概要:[ムンバイ 30日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は30日、主要政策金利のレポレートを50ベーシスポイント(bp)引き上げて5.90%とすることを決定した。インフレ抑制に向けて、4会合連続
[ムンバイ 30日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は30日、主要政策金利のレポレートを50ベーシスポイント(bp)引き上げて5.90%とすることを決定した。インフレ抑制に向けて、4会合連続での利上げに踏み切った。
金融政策委員会メンバーの6人のうち5人が利上げを支持した。
5月の緊急利上げ以降、これで計190bpの利上げを実施したことになるが、インフレは高止まりしている。
中銀のダス総裁は「地政学的な緊張の継続と国際金融市場の神経質なムードに起因する不透明要因でインフレの見通しは引き続き厳しい」と表明。
「こうした背景を踏まえ、金融政策委員会は、根強い高インフレには、一段の調整された金融緩和解除が必要になると判断した。すそ野が広がりつつある物価圧力の抑制、インフレ期待の安定、二次的影響の防止が狙いだ。こうした措置が、インド経済の中期的な見通しを支援する」と述べた。
常設預金ファシリティー金利と限界常設ファシリティー金利も50bp引き上げられ、それぞれ5.65%、6.15%となった。
8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比7%に加速。中銀の目標である2─6%を8カ月連続で上回った。
金融政策委員会は、現行の政策金利がインフレ調整後で2019年の水準を依然として下回っているとの認識も示した。
エコノミストの間では、今後も引き締めが続くとの見方が多い。一部は政策金利のピークであるターミナルレートを6.5%と予想している。現在の水準からさらに60bpの利上げが行われることを意味する。
今月のロイター調査では、2023年末までの各四半期の政策金利は6%(中央値)と予想されている。
アクシス・キャピタルのチーフエコノミスト、プリトビラジ・スリニバス氏は「市場は政策金利のピークを6%近辺とみていた。今回の50bpの引き上げで、金利のピークは予想されていたよりも高いとの見方が強まるだろう」と述べた。同氏はターミナルレートを6.5%と予想した。
エムケイ・グローバル・フィナンシャル・サービシズのリードエコノミストは「現時点では中銀が過度に制約的な水準まで利上げするとは思えない」とし「今日の決定を含め、今後の利上げ幅は多くて100bpだろう」と述べた。
金融政策委員会は2023年度の国内総生産(GDP)予測を7.2%増から7%増に引き下げた。CPI上昇率の予測は6.7%で据え置いた。