概要:ドイツのハーベック経済・気候保護相は27日、年内に稼働を止める予定となっていた国内の原発のうち「イザール2」と「ネッカーベストハイム」の2基について、停止の期限を延長する見通しだと述べた。フランスの原発で電力供給の落ち込みが大きくなっているためだ。
ドイツのハーベック経済・気候保護相は9月27日、年内に稼働を止める予定となっていた国内の原発のうち「イザール2」と「ネッカーベストハイム」の2基について、停止の期限を延長する見通しだと述べた。写真はイザール2原発。8月17日、南部エッシェンバッハ近郊で撮影(2022年 ロイター/Christian Mang)
[ベルリン 27日 ロイター] - ドイツのハーベック経済・気候保護相は27日、年内に稼働を止める予定となっていた国内の原発のうち「イザール2」と「ネッカーベストハイム」の2基について、停止の期限を延長する見通しだと述べた。フランスの原発で電力供給の落ち込みが大きくなっているためだ。
ドイツは年末までに原発の稼働を完全に停止する計画だったが、ウクライナ戦争でロシアからエネルギー供給が受けられなくなったため、原発2基について来年4月まで稼働可能な状態を維持することに方針を転換した。
フランスのマクロン大統領は今月初め、同国はドイツが必要な時にガスを供給し、ドイツもフランスに電力を提供する用意があると述べた。
ハーベック氏は、フランスの原発の電力供給状況は、ドイツが原発2基の稼働を延長するかどうかを最終的に判断する上で大きな要因であり、この判断は年内に行うべきだと指摘。「今日現在におけるフランスからのデータは、いずれ(国内の原発2基を)動員し、使用することを示唆していると言わざるを得ない」と述べた。
また「フランスの状況は良くなく、既にこの数週間で予想以上に悪い方向に進んでいる」とも述べ、ここ数年のフランスの予測は楽観的過ぎたとの認識を示した。