概要:ニューヨーク外為市場では、イングランド銀行(英中央銀行)が市場安定化に向け長期国債の買い入れを開始すると発表したことを受け、一時下落していた英ポンドが対ドルで上昇した。
[ニューヨーク/ロンドン 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、イングランド銀行(英中央銀行)が市場安定化に向け長期国債の買い入れを開始すると発表したことを受け、一時下落していた英ポンドが対ドルで上昇した。
ニューヨーク外為市場では、イングランド銀行(英中央銀行)が市場安定化に向け長期国債の買い入れを開始すると発表したことを受け、一時下落していた英ポンドが対ドルで上昇した。
英中銀はこの日、650億ポンド(約694億ドル)の長期国債の一時買い入れを開始すると発表。初回の買い入れオペで25億8700万ポンド(27億8000万ドル)のオファーを受け、10億2500万ポンドを買い入れたと明らかにした。買い入れはこの日から10月14日まで実施する。
英中銀のこうした措置の外為相場に対する影響を見極めようとする動きが広まる中、英ポンド相場は揺れ動いた。終盤の取引では1.51%高の1.08921ドル。高値は1.09165ドル、安値は1.05390ドルだった。
ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、外為相場は英中銀の動きを受け大きく動いたと指摘。「金融ストレスは至る所で見られていた。ある意味で自己増殖的に国債利回りが上昇し、ドル相場が上昇していた。ストレスとパニックを食い止めるための措置が必要だったところに英中銀の発表があった」とし、「金融ストレスの緩和を受け、ポンドなどが対ドルで上昇した」と述べた。
ただ、英国は高インフレなどに引き続き対応しなければならないため、ポンドの上昇は一時的なものにすぎないとの見方も出ている。
ジェフリーズ(ニューヨーク)の外為グローバル責任者、ブラッド・ベクテル氏は、市場はロシアから欧州に天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」で損傷が見つかったことを受け、市場では欧州のエネルギーを巡る不確実性も注目されていると指摘。ノルドストリームの損傷について、ドイツ、デンマーク、スウェーデンは27日、破壊された可能性に言及。ただ、不明な点が多く、欧州は原因究明を急いでいる。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は112.660。一時は114.78と、20年ぶり高水準を付けた。
ユーロは1.52%高の0.9739ドル。0.95355ドルの安値から切り返した。
ドルは対円で0.61%安の143.955円。一時は144.860円まで上昇した。
市場心理に敏感な豪ドルは1.410%高。
人民元はオフショア取引で過去最安値を更新した。
ドル/円 NY終値 144.16/144.17
始値 144.67
高値 144.81
安値 143.92
ユーロ/ドル NY終値 0.9734/0.9737
始値 0.9574
高値 0.9750
安値 0.9551