概要:[ストックホルム 29日 ロイター] - スウェーデンのファストファッション大手H&Mは29日、20億クローナ(1億7700万ドル)規模の経費節減策を発表した。ヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CE
[ストックホルム 29日 ロイター] - スウェーデンのファストファッション大手H&Mは29日、20億クローナ(1億7700万ドル)規模の経費節減策を発表した。ヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、具体的には組織構造の簡素化やハイテクサービス支出の低減、社内の出張縮小、オフィス賃料下げなどになると説明し、節減効果が来年下半期には出てくるはずだとの見通しを示した。
同社が今月発表した今年第3・四半期(6─8月期)決算は税引き前利益が減益で、市場予想に比べてもはるかに悪かった。買い物客の支出抑制で売上高も市場予想を下回っていた。
同社によると、ロシア事業撤退も一時費用として21億クローナの費用負担。今年の夏の欧州市場の多くが熱波に見舞われたことや、サプライチェーンの問題も売り上げを圧迫した一方で、原材料費や輸送費の上昇やドル高が費用を大きく押し上げた。
ヘルマーソン氏は、こうした要因が利益面の大きなマイナス材料と指摘。「われわれは費用増大をすべて穴埋めすることは選択していない。だから利益率が影響を受けた」と説明した。ただ、市場によって程度は異なるものの、高価格帯の女性衣料品など一部では値上げもしたとし、柔軟な価格設定が今後も高コストをしのぐ重要な施策であることには変わりはないと表明した。
第4・四半期の出足として、9月1─27日の売上高が現地通貨建てでは前年同期比7%増加したとし、比較的好天に恵まれていることもあって、秋物商戦は今のところ順調だとも指摘した。