概要:午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(136.50/53円)から上昇し、136.85/87円付近で推移している。時間外取引の米長期金利の上昇を背景にドル買い/円売りが優勢となった。
[東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(136.50/53円)から上昇し、136.85/87円付近で推移している。時間外取引の米長期金利の上昇を背景にドル買い/円売りが優勢となった。
8月26日、午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(136.50/53円)から上昇し、136.85/87円付近で推移している。
仲値にかけては実需のドル買いフローも入り、ジリ高で推移した。ただ、 米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見ムードも強かった。
今夜のパウエルFRB議長の講演では、インフレ抑制を最優先にするとし、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅や今後の利上げペースについては、データ次第との見方を示すとの予想が多い。
三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は、パウエル米FRB議長はデータ次第にとどまり、明確なスタンスは示さないとし、ジャクソンホール会合を機に金利上昇・ドル高が進む可能性は低いものの「市場の一部でみられた来年の利下げをさらに織り込むような動きは払しょくされ、米金利低下やドル売り方向には向かない」とみる。
足元の米長期金利は3%を上回る推移が続いてるものの、以前よりもドルの上昇の勢いは乏しい。SBI証券の外国為替室部長、上田眞理人氏は「米国がインフレを抑制できるという確信を持てないことや、金融引き締めによる経済の縮小を防ぐためコントロールしていけるのかなど、FRBに対する信頼感が十分でなく、ドル買いの鈍さにつながっている」と指摘する。
上田氏は今後のドル/円の動向について、135円台で下値は固くなるとし、上値の重さがみられる137円台後半をいずれ突破していくと、予想する。
ユーロ/ドルは0.9958/62ドルと小動きにとどまった。パリティ割れの推移が続いているものの、足元では下げ渋っている。「0.9850ドルを下回るとストップロスが出るとの見方もあり、慎重になっているようだ」(国内証券)との声が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 136.85/87 0.9958/62 136.30/34
午前9時現在 136.55/57 0.9969/73 136.14/18
NY午後5時 136.50/53 0.9974/75 136.14/18
政府は26日、ウクライナ侵攻を続けるロシアで部分的動員令が発出されるなど、最近のウクライナを巡る国際情勢を受けロシアに対する追加制裁措置を決定した。
来週の東京株式市場は、強含みが想定されている。経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による講演の内容次第という見方もあるが、ネガティブな場合についても織り込まれており、イベント通過で安心感が生じるという。潜在的な買い需要が大きいなど、好需給も注目され、きっかけ1つで踏み上げに発展する可能性もある。
東京株式市場で日経平均は、前営業日比162円37銭高の2万8641円38銭と、続伸して取引を終えた。前日の米市場での長期金利低下を受け、ハイテク株比率の高いナスダック総合が上昇したことから、半導体関連株やハイテク株を中心に堅調だった。ただ、イベント前で後場は徐々に様子見姿勢が強まり、1日を通して商いは薄かった。
来週の外為市場でドルは底堅く推移すると予想されている。米大幅利上げ観測やユーロ安基調を背景に上値余地が意識されやすい。米連邦準備理事会(FRB)高官による発言や主要な経済指標を見極めながらの展開となりそうだ。