概要:ニューヨーク外為市場では、米雇用統計が予想以上に力強く連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続するとの観測から、ドルが全面高となった。中でも円に対し大きく上昇し、1日の上昇率としては6月半ば以来の大きさとなった。
[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米雇用統計が予想以上に力強く連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続するとの観測から、ドルが全面高となった。中でも円に対し大きく上昇し、1日の上昇率としては6月半ば以来の大きさとなった。
ニューヨーク外為市場では、米雇用統計が予想以上に力強く連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続するとの観測から、ドルが全面高となった。(2022年 ロイター/Thomas White)
労働省発表の7月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比52万8000人増と予想を大きく上回り、失業率も3.5%に低下した。
これを受け主要6通貨に対するドル指数は急伸。終盤の取引で0.8%高の106.57。週初からは約0.6%上昇した。
メルク・インベストメント(カリフォルニア州)の社長兼最高投資責任者(CIO)、アクセル・メルク氏は「雇用統計は予想をはるかに上回る力強さだった」とし、「FRBは政策を転換することはできず、利上げを継続するしかない」と指摘。世界経済が減速傾向にある中で、米経済は好調に推移していることを背景に「ドルが全面高になった」と述べた。
ドルは対円で1.5%高の134.99円。週初からは1.3%上昇した。
英ポンドは0.8%安の1.2066ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は前日、政策金利を0.5%ポイント引き上げ1.75%とすると同時に、今年第4・四半期にリセッション(景気後退)入りするとの予想を示した。
ユーロは0.7%安の1.0178ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.2%高の2万2886.45ドル。
ドル/円 NY終値 134.97/135.00
始値 133.12
高値 135.49
安値 133.05
ユーロ/ドル NY終値 1.0181/1.0185
始値 1.0234
高値 1.0238
安値 1.0143
政府は26日、ウクライナ侵攻を続けるロシアで部分的動員令が発出されるなど、最近のウクライナを巡る国際情勢を受けロシアに対する追加制裁措置を決定した。
来週の東京株式市場は、強含みが想定されている。経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による講演の内容次第という見方もあるが、ネガティブな場合についても織り込まれており、イベント通過で安心感が生じるという。潜在的な買い需要が大きいなど、好需給も注目され、きっかけ1つで踏み上げに発展する可能性もある。
東京株式市場で日経平均は、前営業日比162円37銭高の2万8641円38銭と、続伸して取引を終えた。前日の米市場での長期金利低下を受け、ハイテク株比率の高いナスダック総合が上昇したことから、半導体関連株やハイテク株を中心に堅調だった。ただ、イベント前で後場は徐々に様子見姿勢が強まり、1日を通して商いは薄かった。
来週の外為市場でドルは底堅く推移すると予想されている。米大幅利上げ観測やユーロ安基調を背景に上値余地が意識されやすい。米連邦準備理事会(FRB)高官による発言や主要な経済指標を見極めながらの展開となりそうだ。